中学を卒業する頃、住んでいたおじいちゃん家から引っ越すことになった。
伝えられたのは当日。
引っ越し先は母親の同僚の家。
2人はその頃の付き合っていた。
母親が離婚前ずっと、夜な夜な泣きながらその人に電話してたのをよく目撃していた私は何も驚かない。
ただ、当日に引っ越しを伝えられたのには、
なんだか嫌な気分になった。
けど変な人生は歓迎。
だからおっけー。
その人と私はすぐに打ち解けた。
私はその人をニックネームで呼び始めた。
ここではJとする。
Jも離婚していて、息子が2人。
下の息子は私と同い年。
一軒家で、3人家族と急に同居が始まった。
Jの息子2人もいいやつら。
家も私の通う高校から近くてラッキー。
家も中がリノベーションしてあって綺麗。
自分の部屋もあるし、特に文句ない。
多感な時期の娘を会ったこともない3人の男たちと同居させる私の母親には引いた。
なぜなら、彼女によるとそうした理由は、
"ぽちのため"。
私のためらしい。
へー。私がいつ頼んだの。
知らない男3人と知らない土地で当日知らされて同居させて、って。
私が平気そうだからって。
そういうところから、彼女の勘違いは始まっていったように思う。
私は傷ついたよ。
私のため私のためって言って離婚して、
私のため私のためって言って好きな男と住むんだ。
「子どもは親に振り回されるもの」
私は忘れない。
よく堂々とそんな言葉を自分の子どもに言えるね。
母親とJは犬を飼い始めた。
チワワ。
チワワに夢中になる2人。
まるで自分たちの子どもかのように可愛がる。
私より犬。
私の16歳の誕生日、母親は帰って来なかった。
仕事で遅くて。
私が大人になった日。
私はもう子どもじゃないんだ。
平気。大丈夫。私は強い。
涙が流れた。
その日から、自分の誕生日はどうでもよくなった。今でも。
誰にお祝いされても、ありがとうとは言うし、
喜びはするけど、なんてことない日。
ただの日。
嬉しくもなければ悲しくもない。
私は思春期。
母親とはたくさん喧嘩した。
思春期の頃って、言葉を発するのがダルい。
ずっとイライラしてる。
私のため私のため。なんだって私のため。
私を理由に自分の好き勝手やる。
好き勝手するのはいい。
私を理由に使われるのがとても腹立たしかった。
自分勝手なくそばばあ。
高二の夏。
「おじいちゃん家に帰るよ。荷物片付けて。」
伝えられたのは数日前。
あらあら、当日に言うよりは成長したんだね。
母親はJの下の息子の素行の悪さをよく思っていなかった。
決定打になったのは、彼女を家に連れ込んだこと。
私には全く害はなかった。
でも母親は決めた。
私に悪影響である、と。
だから、"私のために"おじいちゃん家に戻る。
へー。
当日に知らない男3人と同居するのを知らされてから素早く順応して生活してた私のために何の相談もなしに独断で学校から遠くなるおじいちゃん家に戻るのを決めてくれたんだ。へー。
書くの忘れてた。
その頃だったかな。
私の方が母親より身体的な力が強くなって私に手を上げるのが完全になくなったのは。
"私のため"
"私のため"
"私のため"
そう理由を付けられて振り回された。
愛されてると感じたことがない高校の3年間。
この頃の私は、母親と正式に縁を切ることを夢見ていた。
サラッと書いたけど、とてつもない怒りが私の中にあった。
マグマ。
それ以上の怒り。
ママがいいならそれでいいや
守ってあげなくちゃ
ママがいいならそれでいい
すべて仇で返された。
そう感じていた。
自分勝手なくそばばあ。